株式会社イリンクス社長blog

ゲーム会社イリンクス社長のblogです

華やかな設立10周年

お陰様で本日イリンクス設立10年となりました。

 10年前、当時勤めていた会社が沈没し、逃げ遅れたスタッフを連れて足こぎボートで航海に乗り出しましたが、何とかここまでで続ける事が出来ました。それもこれも、ひとえに皆様に助けられ、教えられ、励まされ続けたお陰だと思ってます。

皆様本当にありがとうございます。

 しかし社長10年やって思い知ったのは、社長って無力だよなーって事ですね。ほんと一人では何も出来ない。昔は社長って無敵だと思ってたんですけどね。毎日周りに助けてもらうばっかりなので、いつか大金持ちになって恩返しをしたいと思ってはいるのですが、10年経っても全くでございます。

 大金持ちは無理にしても、お世話になった人たちをお呼びしてパーティくらいは…と思ってたのですが、それもご時世的に叶わず。とほほな感じですね。
 
 ただ、うちのスタッフには、せめてものという事で、お取り寄せスイーツを沢山用意することにしました。届いたお菓子はとても華やかで、ちょっぴりめでたい感じです。

 近況報告ですが、相も変わらずコンシューマゲーム作ってます。10年間進歩無しですね。違う点といえば、エンジンがUE4になったのと、ハードが進化したことでしょうか。発売はまだまだ先なのですが、地道に頑張っていこうと思います。

 ちなみに設立メンバー全員が定年を迎えるまで頑張るとなると、最低設立40周年が必要となります。航海が長過ぎてクラクラしますが、とりあえず11周年を無事に迎えられるよう、頑張って足こぎボートを漕ぎ続けたいと思います。

キコキコ…

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うちの女性スタッフが一生懸命選んでくれました。華やかで良いですね。

祝・次世代機発売

 ついに次世代機であるPS5とXbox Series Xが発売されました。幸運にも私はPS5だけAmazonで予約できたので、1週間ほど色々なタイトルを遊んでみました。その感想を書きたいと思います。

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 ちなみに良く周りから「ゲーム開発の人は簡単に最新ゲーム機が手に入って羨ましい」的な声を聞きますが、そんな事は全く無く、むしろ仕事に関わるので手に入れようと毎回必死に頑張ってます。今回はコロナの影響か台数も少なかったので、恐らくSIEの社員の方すらも社販なども無かったと思います。

 さて、PS5を遊んで「凄い!」と思ったポイントは以下の3つです。

  1. 60fps
  2. ロード時間
  3. サウンド
その1.60fps

 ロンチタイトルの殆どは画質設定が「綺麗」か「滑らか」が選べるようになっています。「綺麗」にするとレイトレーシングがONになったり、ポストエフェクトが綺麗になったりしますが30fpsです。「滑らか」にするとそれらがOFFになり画質は多少落ちるのですが、60fpsになります。

 レイトレーシングがONになると窓や水たまりの映り込みが綺麗になるのですが、ゲーム中そんなに沢山映り込みは見ないので、言われれば気づくという感じです。

 それに対し30fpsと60fpsの違いは明らかですし、デモンズソウルのようなシビアなゲームでは難易度にも影響があり、かつ目の疲れや酔いの軽減にもなるので長時間遊べちゃいます。60fpsの恩恵は大変素晴らしいですね。そんな訳で、今遊んでいるゲームは片っ端から「滑らか」に設定しています。

その2.ロード時間

 例えばデモンズソウルですと、神殿から各エリアへの移動は3秒程度。霧に包まれてすぐという感覚なので「NOW LOADING」の表示すらありません。流石にファミコンスーパーファミコンの頃ほど早くないですが、従来に比べると圧倒的に快適です。

 ここまで早いとゲームデザインにも今後影響がありそうです。例えば今までは「オープンワールドはロードがないから快適」と言われてきましたが、これならロード挟んでも良いのでは?と思えますし、ロード時間中にTIPS表示も出来なくなりそうです。

その3.サウンド

 PS5には「Tempest 3Dオーディオ」という3D音響処理エンジンが搭載されており、特にSIEのローンチタイトルではこの機能を効果的に使用しているため、臨場感が半端ないです。恐らく常時数十の環境音がGPUで3D計算され同時再生されているからだと思われます。

 私はPS5推奨の「PULSE 3Dヘッドホン」ではなく普通の音楽用ヘッドホンで遊んでいますが、それでもスパイダーマンの街の喧騒やデモンズソウルの雨、風、呻きといった音はリアリティが凄く、鳥肌が立つほどです。今後のゲームは様々な環境音を大量に用意する必要がありそうです。

まとめ

 個人的にPS5はマシンの性能を画質中心から「快適さ」や「没入感」中心に変わった様に感じます。これは画質が行き着いたとも取れますし、スマホゲームの影響も大きいと思います。本体は多少大きいもののファンの音などは殆どしませんし、ローンチながら素晴らしいハードだと思います。

 残念ながらXbox Series XもPULSE 3Dヘッドホンもまだ買えておらず、かつ再販すらもアナウンスされてませんが、次はこれらを入手すべく頑張ります。

続・Parsec

以前の記事でリモートワークにParsecを使用している旨書きましたが、あれからParsecが凄く進化したので紹介したいと思います。

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https://parsecgaming.com/

以前の記事時点では「_と¥が入力できない」状態でしたが、現在は問題なく入力できます。「一部のダイアログが表示されない」も殆ど直ってますし、「マルチディスプレイ表示が出来ない」も、有料版で機能追加されました。

現在Parsecでは3つのプランがあります。

無料プラン
・一通りの機能は使えるが、以下の有料プラン専用機能は使えない

Warpプラン(月9.99ドル)
・マルチディスプレイ対応
・4:4:4カラーモード対応
・ペンタブ対応

Teamsプラン(月30ドル)
Warpの全機能+アカウントの管理

■各機能の説明
4:4:4カラーモード
 標準モードはYUV4:2:0が採用されているため全体的に色が薄めで表示されます。それに対し、4:4:4モードではYUV4:4:4が使用されるため色の再現度は高くなります。ただし、リモート元、先両方に最新のビデオカードが必要なのと使用帯域が増えます。
詳細はこちら
https://support.parsecgaming.com/hc/en-us/articles/360045446151-4-4-4-Color-Setting

ペンタブ対応
 筆圧感知もサポートしてます。Parsec曰く「リモートソフトで唯一のペンタブ完全対応」。

アカウント管理
 Office365などと同じく、ユーザーの招待や削除、支払いの一元化が可能です。Warpだとアカウント毎ににカード情報の入力が必要になるので、法人では基本的にTeamsプランを使うことになると思います。

各プラン毎の比較詳細はコチラ
https://parsecgaming.com/teams/

前回の記事から半年経ちましたが、機能性や安定性は向上しつつお値段据え置きと素晴らしいですね。ただ時々不安定になるので、緊急用に別のリモートソフトも用意しておいたほうが良いかと思います(今はAnyDeskを使用してます)

また、どんどん顧客が増えてるらしく、今ではHPに書かれているだけでも、EA、UBI、スクエニ、BLIZZARDと名だたるゲーム会社が揃い踏み。もはやゲーム開発とParsecは切っても来れないソフトとなったようです。まさにシンデレラストーリーですね。

早くコロナが落ち着くのを願いつつ、もう暫くParsecで頑張りたいと思います。

とってもさみしいCEDEC2020講演

今年は久々にCEDECで講演しました。5年ぶりくらいでしょうか。

 異例のフルリモート開催という事で、講演者は録画した講演動画を提出するか、パシフィコ横浜で生放送のどちらかが選べたのですが、私は質疑応答がしたかったのでパシフィコ横浜に行くことにしました。

 いつも通り、みなとみらい駅に着いてビックリしたのが人の少なさ。いつものCEDECならパシフィコ横浜に行く人でごった返してるんですが、誰も居ない。さみしくてテンション下がりました。

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 そして会場は今年新しく出来たパシフィコ横浜ノースなのですが、みなとみらい駅から思ったより遠い…炎天下の中誰とも合わずトボトボ歩き続け、私のテンションは下がる一方。

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 そしてやっと着いても、受付に少し人がいるだけでシーンと静まり返っており、レッドブルお姉さんも当然居なくションボリ。そんな中、CEDEC委員長の齊藤さんに会えて、ちょっとだけテンションアップしましたが、講演部屋は撮影スタッフ2名とカメラとマイクがあるだけの小さな部屋で、やっぱりテンションダウン。

 カメラの前に座り、「果たしてこのカメラの向こうには何人が見に来てくれているんだろう。ひょっとして0名かも…」と思いつつ講演がスタート。すると、コメント欄に沢山の「よろしくお願いします!」が表示され、今までの反動もあり嬉しくてちょっと泣きそうになりました

 特にコメント欄は皆さん本名で登録しているため、見知った名前が沢山表示されたのが大変心強かったです。また、温かいコメントや質疑応答時も沢山の質問頂き、本当に助かりました。見てくださった皆様ありがとうございましたm(_ _)m

 部屋を出たら、齊藤さん以外にも運営委員の知り合いが数名おり、ソーシャルディスタンスを保ちつつ皆で雑談。ちょっと楽しい気持ちになりながら帰ることにしました。

 が、途中のタリーズでコーヒー飲みつつ休憩してたら、「いつもはこの後に野毛に行って、今日の講演ふりかえったり、近況話したりしつつ飲んでたんだよなー」と思い出し、落ち込み度MAX。トボトボ家に帰り、そのまま寝ちゃいました。

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 私は下手にパシフィコ横浜に行って、今までのCEDECを沢山思い出してしまった分、今年のCEDECは本当に寂しかったです。リモート講演は家で見る分には快適なんですけどね。

 来年はまた皆と野毛でワイワイ飲めると良いな…

書くことが全く無い

ご無沙汰しております。

今までは大体毎月書いてたのですが、今回は4ヶ月ほど空いてしまいました。空いた理由は、ただ単に書くことが無いからです。

コロナの影響で、開発スタッフはテレワーク中心となり、今日も私以外3名しか出社しておりません。また飲み会等イベントは全て中止、来客も時々ZOOMでといった感じで、「業務以外の無駄がない」状況です。

無駄がないと、こんなに書くこと無いんですね。寂しい限りです。

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アップする写真すら無いので、インターフォン置き場で揺れていた金魚をペタリ

ただ、先日依頼があり、アーツカレッジヨコハマ校で少し講義をしてきました。久々に外に出て直接学生の皆さんとお話できたのでリフレッシュできました(外は土砂降りでしたが...)
www.kccollege.ac.jp

あとはボチボチと会社説明会をZOOMで行っていますが、モニター越しだとリアクションが感じられず、質疑応答もやはりハードルが高いのか殆どありません。なかなか難しい感じですね。

当分この状況が続きそうなので、粛々と開発頑張りつつ、Blogも2ヶ月に1回くらいは更新したいと思います。

Parsec、DesktopVPN、MSTeamsでテレワークを頑張る

※parsecについては続報を書きました

会社がテレワークになってから1ヶ月近く経ちました。

最初はかなりバタバタしましたが、今は何とか安定して開発できる環境になりましたので、ちょっとご紹介したいと思います。

まず自宅のPCで守秘義務のあるデータを扱うわけにはいかないので、基本的にリモートソフトを使用して、自宅PCから会社PCを操作しています。

この手段であれば、自宅に持ち帰れないコンシューマ開発機もリモートで操作することが可能です。

このリモートソフトには「parsec」というゲーム/クリエイター向けソフトを使用してます(海外では有名なようです)
https://parsecgaming.com/

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parsecはホームページ。ドット絵な感じが可愛い。

parsecの良いところは幾つかありますが、代表的なのは

  1. なめらかに動く

さすがゲーム/クリエイター向けだけあって、かなりのフレームレートが出ます。例えばリモートでyoutubeを再生しても違和感なく見れたりします。ゲームは動きが命なので大助かりですね。自宅PCに高性能のビデオカードが刺さっているとH.265デコードが使えるので更になめらかに動くようです

  1. コントローラーをサポートしている

一般的なリモートソフトはマウスとキーボードしかサポートしてませんが、このツールはコントローラーもサポートしています。ただし、会社のPCにコントローラーが刺さってると2コンとして認識されるので注意が必要です。

  1. サウンドが出る

音もしっかり出るので、サウンドプログラマーも作業できます。

  1. 管理コンソールがある

有償版は管理コンソールがあり、ユーザーの利用状況などが確認できます。ちなみにお値段は1人月3,000円です。

ただし、幾つか問題もありまして

  1. _と¥が入力できない

一部のキーが認識できません。上記もそうですが、他にも変換、無変換、Breakなども入力できません。特に_と¥はキツイのですが、keymillというソフトを使い、_をCTRL+/などに割り振ることで対処しています。

  1. マルチディスプレイ表示が出来ない

日頃モニター2枚で仕事してるので、なかなかに辛いです。ただ有償版にはディスプレイ切り替えがあるので、それで何とか頑張れます。

  1. 一部のダイアログが表示されない

例えばVisualStudioの検索/置換ダイアログが何故か表示されなかったりします。ただドッキングさせる事で解消したのでそのまま使用してます。

という感じで、問題はありつつも何とか解消できるのと、parsec以上に快適なソフトを知らないため頑張って使用しています。

ただ、parsecを使用してても流石にネットが重い時間はどうにもならなく、画面がブロックノイズまみれになったりします。(特に夕方頃)
その際は素直に諦めて、他のことをしてリフレッシュし、軽くなったら仕事を再開するようにしています。

また、Parsecが落ちたとかそういった緊急用にDesktopVPNという遅いけど信頼性の高いソフトも併用しています、問題が起きたらDesktopVPNで解決という感じで運用してます。
https://www.desktopvpn.net/

次にコミュニケーションソフトですが、元々MSTeamsを使用していたのですが、これがTV会議機能も非常に優秀でした。20人以下で使用できるプライベートTV会議、自由参加のチームTV会議の2つの機能があり、少人数での話は前者。全体会議は後者と使い分けて使用してます。もちろん他のTV会議システム同様他人のマイクOFFやバーチャル背景などもサポートしてます。

これらのツールを使うことで、何とかテレワークでもゲーム開発を続けられてます。とはいえ、コミュニケーションに何倍も労力が掛かるので、なかなか大変ですが。。。
それでも私達のような職種はテレワークが可能でなだけ幸せですので、何とか技術と経験で頑張りたいと思います。

新入社員

今年も4月となり、弊社にも新入社員が入ってきました。ただコロナウィルスの影響でグループ一同の入社式も役員との食事会も中止となり、全て略式での開催となりました。

その後はビジネスマナー研修も新人歓迎会などもなく、そのままテレワークへ…早く落ち着いて、略式ではなく正式な会は開けるようになるのを祈るばかりです。

そして、新たにロボット1台も入社となりました。

アイロボット ブラーバジェットm6 」ルンバの床拭きバージョンです。

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以前のオフィスはカーペットだったので中々洗うのが難しく、新オフィスはフローリング+ロボット掃除機で常に綺麗にしよう!とずっと思ってたんですよね。

ただ、オフィスだと立ち入って欲しくない箇所が幾つも有るので、中々ロボット掃除機で対応するのは難易度が高かったんですが、このロボット掃除機はバージョンアップでマッピング機能という立ち入り禁止区域がスマホで設定できるようになったらしく購入してみました。

実際動かしてみるとチョコチョコ動き回って可愛い!なんとなくボーッと見守ってしまいます。

マッピング機能も優秀で、自動でフロアマップが作られ、あとはスマホで矩形領域を指定するだけで指定OKと非常にお手軽です。

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ただ、掃除に結構時間が掛かったり、迷子になって助けを求めてきたり、何故か掃除を途中で止めてドックに戻ったりと、ヘンテコな動作もしばしば。そのたびに「自分で拭き掃除したら10分で終わるし確実なんだけどなー」なんて思ってしまいます。

実はこれって新人と同じなんですよね。新人に仕事を任せると時間は掛かるし、ミスも多い。なので「自分でやったほうが早いし確実だよなー」と考えちゃうんですが、それでも新人が手を動かしてくれる分、自分の時間は空くので別な仕事が出来るし、多少は肩の荷も下ろせます。

こういう微力ながらでも仕事が減るというのは積もり積もって非常にプラスとなります。それに新人は成長するので、どんどん時間もミスも減っていきます。残念ながらロボット掃除機は成長してくれないのでしょんぼりですが…

今日も愚直にロボット掃除機は人がめっきり減ったオフィスを綺麗に磨いてくれてます。ありがたや~